観光・お出かけ

旧長谷川治郎兵衛家は丹波屋を屋号とする木綿商で立派な自宅は住みたくなった

松阪市の屈指の豪商である旧長谷川治郎兵衛家の旧宅を見学してきたのでご紹介。


恥ずかしながら、僕は松阪に住んでいながら長谷川治郎兵衛のことをまったく知りませんでした。

知れば知るほど、全国的にも名の知れた人物で、本宅は国指定重要文化財(建造物)三重県指定史跡及び名勝に指定されている由緒正しい施設なんです。

長谷川治郎兵衛とは

長谷川治郎兵衛ですが、はせがわじろべえと読みます。
豪商と呼ばれた長谷川家は、一体何で財をなしたのか?

現在、松阪市の特産品として人気の松阪木綿が始まりなんです。

魚町一丁目の丹波屋を屋号としており、全国でも江戸に出ていった商人は多くいるが、中でもいち早く江戸に進出し成功した商人の1人です。

江戸の大伝馬1丁目に5軒のお店を構える木綿商だったんです。
他には、米、雑穀、干鰯、煙草等も販売しており、三井家、小津家と並んで、長谷川家は松阪三大豪商と呼ばれ、松阪市を代表する江戸店持ちの商家です。

江戸後期には、松阪御為替組(幕府公金を江戸へ送るための商人組織)の総代を勤めるなど大きな影響力を持っていました。
明治維新などの動乱期も、堅実経営で混乱を乗り越え、昭和44年にマルサン長谷川株式会社に社名変更されました。
なんと今はマルサン長谷川株式会社は存在していません。
2014年(平成26年)に会社は解散されたんだとか・・・・・。
つい最近まで営業していた会社。
豪商と呼ばれた会社が、このようになると少し寂しい気持ちになりますね。

この、旧長谷川治郎兵衛家は、とにかく大きい。
建物は保存状態も良くって、近隣の買収と増築を繰り返していてめちゃくちゃデカイ。
そして立派!!!
部屋数は数えられんぐらいと蔵は5個。

裏庭は、入り口からは想像できないような建物よりも更に広大な敷地で。

創業以来の大福帳や経営に関する書類や道具など、商売の記録や道具などがしっかり残っており、松阪商人の商売っぷりを垣間見ることができますよ。

庭園を含む敷地が2015年(平成27年)に三重県史跡・名勝に、そして2016年(平成28年)には建物群が国重要文化財に指定を受けています。

旧長谷川治郎兵衛家ってどこにあるの(アクセス)

旧長谷川治郎兵衛家は、松阪市役所の近くの魚町と呼ばれる地域にあります。
近隣にコインパーキングもありますが、町中を歩いてまわる場合はこちらの無料駐車場が便利です。
という訳で、各交通手段でのアクセスは下記の通りです。

車でのアクセス

伊勢自動車道松阪インターを降り、そのまま直進していただくと商業施設パワーセンターが見えてきます。
その信号左折し、真っ直ぐ進むと桑名三重信用金庫川井町支店(川井町4交差点)を右折し、真っ直ぐ進み橋を渡った新松阪交差点を左折して、道なりに進むと右手に松阪市駐車場(松阪市民病院前)があるので駐車し、徒歩5分です。

公共交通機関でのアクセス

三重交通バス

近鉄・JR松阪駅のJR改札口側バスターミナル2番のりばから「松阪中央病院行き」に乗り、「本町」下車すぐです。
所要時間 約4分 大人:210円 小児:110円

市街地循環バス「鈴の音バス」

近鉄・JR松阪駅から左回りで「市役所前」下車すぐ。
所要時間 約4分 小学生以上100円

徒歩でのアクセス

近鉄松阪駅、JR松阪駅より徒歩15分

旧長谷川治郎兵衛家について基本的なこと

旧長谷川治郎兵衛家の開館時間は9時~17時で入館は16時30分までです。
休館日は毎週月曜日(祝日の場合は翌日)となっています。
近隣にある旧小津清左衛門家や原田二郎旧宅、御城番屋敷の公開住宅、松阪市立歴史民俗博物館も同様に毎週月曜日は休館日なので、全て見ることができないという悲劇になってしまうことがあるので注意して下さいね。
あと、各施設ごとに日は違いますが、年末年始となっています。
ちなみに旧長谷川治郎兵衛家は12月30日~1月2日までとなっています。
入館料は、5歳以下が無料、6歳~18歳が160円、一般が320円です。
あと、20名以上なら団体割引の対象になるので確認してみてくださいね。

近隣を観光でまわる場合は、旧長谷川治郎兵衛家320円、旧小津清左衛門家160円、松阪市立歴史民俗博物館80円の施設に入館できるお得なチケットがあります。

「豪商のまち松阪 3館共通入館券」

が、6歳~18歳が250円!!!!
一般がなんと500円!!!!

本来なら一般560円のところが、60円お得
6歳~18歳280円のところが、30円お得

う~ん!??!
ちょっとだけ得しますね!!

今までは、旧長谷川家住宅、長谷川氏旧宅と呼ばれていましたが、2019年(平成31年)4月1日より、旧長谷川治郎兵衛家と名称が改称されました。

名称 旧長谷川治郎兵衛家
住所 三重県松阪市魚町1653番地
電話番号 0598-21-8600
営業時間 9:00~17:00(入館は16:30まで)
定休日 毎週月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始
入館料 一般 320円 6歳以上18歳以下 160円
サイト なし

旧長谷川治郎兵衛家を見学(写真で案内)

松阪城の城下町の歴史のある街並みの中に旧長谷川治郎兵衛家があります。

昔ながらの、立派な町家でうだつの上がったという屋根が特徴です。
うだつって、うだつが上がらないなど、あんまり良いイメージがなかったのですが、意味は「屋根の両端を一段高くして開催の類焼を防ぐために造られた防火壁」のことを言います。
このようなつくりは、お金持ちなんですって。

入ってすぐの左手には表座敷次の間があります。

向かいの店の間で入場券を購入します。
長谷川家の家紋が入ったのれんをくぐって中へ。

釜の段には旧長谷川治郎兵衛家の模型があります。

こちらが、建物の模型でこれだけでもかなりの部屋数と大きさが分かっていただけますかね?

あと庭も建物と同様でめちゃくちゃ広くって池や家に鳥居があるとか。

江戸の大伝馬1丁目の当時の絵と現在の写真が掲示してあります。
絵を見てもらうと、付箋が貼ってあり、松阪の豪商がみんな店舗を持っています。
町内の木綿問屋70軒ぐらいのうち、6割は伊勢の国出身者だったんです。その中でも松阪商人が圧倒的に多かったんです。
ちなみに、下の写真は現在の江戸の大伝馬1丁目はその面影すら感じませんね。

超特大の金庫が鎮座、、、、

この中に大量のお金が入っていたことは想像できます。

まっすぐやってくるとクドという土間スペースです。

めちゃくちゃ立派な特大のかまどが1つ

そして、その横にもレンガでかこまえた、大きなかまどが5つと小さなかまどが1つ。

煙突も立派ですよね~一体どんな料理をつくっていたのか。
立派な梁が歴史を感じます。


かまどのある土間の向かいの和室は台所と呼ばれており、台所とは板戸で仕切ることができて、使用人が食事をするスペースとなっていたんです。ここだけでも8畳もあり、広い空間になっています。
戸棚がありますが、そこに箱膳が収納されていたんだそうです。
箱膳は展示してあり、このようなもの。

通常は食器を入れておく箱で、食事の時に上蓋を反対にすることで食事の膳として使われていた箱です。

この台所の奥にかけてが、長谷川家当主のプライベートスペースになります。

奥の間があり、ちょっと歴史を感じるレコードなどが配置してあります。


そこから、長い廊下を歩いていきます。

そして大座敷があります。

ちなみに入れませんが、隣にある部屋は大座敷次の間。
ってそのままやん。

大正座敷が増築されるまでは、最も格式の高い座敷です。
大切なお客様の宿泊や、当主の家族が寝起きしていたスペース。
この扇風機すげー!!

指が切れそう。。
部屋からは立派な和の庭を眺めることができます。

更に奥に進むと大正座敷にやってきます。

いくつかの部屋に分かれており、こちらが次の間。
ここでは有料で500円の抹茶体験などもされていました。

次の間を回り込むと一番手前が広間、その奥が畳廊下、八畳の間、表の間というように、奥に抜けていくように多くの部屋があるんです。

奥に来るほど増築されたもので、キレイで高級感のある雰囲気ですね。


ここから見える大正座敷庭園は座敷から見る景観を大切にされており、岩や木の配置がキレイ。


眺めているだけで心が落ち着くなぁ~縁側で座っているだけでもリフレッシュできる。

残念ながら、追加金を支払わないことには、この大正座敷に入ることは許されません。
という訳で見るのはここまでで戻ります。

ここから、外に出て行きます。
水周りも歴史を感じるタイル仕立て。

そして、旧長谷川治郎兵衛家には5つの土蔵があります。
敷地を拡大していくにあたって、増やしていきました。
①もっとも古く、最大規模の大蔵。道具類を収納。
②2番目に古く、床高が最も高い新蔵。当主の私物が収納。
③もっともサイズが小さい米蔵。
④文庫蔵であった西蔵。
⑤もっとも新しい表蔵。

この中で、公開されているのは大蔵のみで、それ以外の4蔵は内部非公開です。
開館記念特別企画展で「江戸店持ち木綿問屋 長谷川治郎兵衛家のあゆみ」
4月5日(金)~7月7日(日)が開催されてました。

この時期だけかもしれないのでgoodタイミングです。

という訳で、大蔵の中へ。
1人係員さんがいて、少しだけ説明いただいて中の展示物を見学します。
株式会社長谷川商店の社旗
そして看板や大福帳など、創業時のものから全て良い状態で保存されています。

中は見ることが出来ませんがちょっと気になるなぁ。

貴重品などを入れておいた箱

名前は良く聞く千両箱

その10倍あるのかな?万両箱。

銭皿っていって、硬貨を入れて数える道具。

昔の金って四角かった??
あと、お金を入れておく銭箱。

これは長谷川家略系図です。

いろんな種類の小判。

いくらぐらいするのかなぁ。

食事のお膳

他にもいろいろな貴重品が保存されてました。

旧長谷川治郎兵衛家の庭園を見学(写真で案内)

旧長谷川治郎兵衛家には複数の庭があって、家にいつつしっかり自然を感じれます。
特に家の中から見る緑と気持ちの良いそよ風は最高ですね。
という訳で、庭園へ移動します。

未公開ですが、新蔵。

かなり重厚な扉です。
そして、こちらも未公開の西蔵。

大正座敷へ外からいくのこの雰囲気。


飛石が良いなぁ。
という訳で、ここまでは庭で、ここか庭園に出て行きます。

だだっ広い広場を抜けると

蔵などが裏手から見ることが出来る。

色や形など、建てた時期がそれぞれ違うのが良く分かる。
統一感ないもんなぁ。

石碑

灯篭

何かのモニュメント

とにかく情報がなく写真だけ!!

庭園に鳥居があって。

屋敷神の稲荷と魚町一丁目の山の神がまつられてます。
こちらも内部は見えません、

そして立派な苑池。

水草が雰囲気だしてます。

中には中島があります。

そして石碑。

渡ることは出来ないが、石橋もあって良い雰囲気。

まさに庭園ですね~。

茶室も別棟でありますよ。

そして、この敷地内で一番新しい建物はトイレ。

多目的トイレもあってめちゃくちゃ快適。
じっくり見て歩いてたらしっかり時間かかりました。

まとめ

普通に見ると普通の古民家ですが、長谷川治郎兵衛家の歴史を知って見ると非常に感慨深いものがあり、見所ありました。
江戸時代から続く400年以上の名家ですが、非常にキレイな保存状態で見ごたえのある建物でした。
何より敷地がめちゃくちゃ大きくって、庭園もきれいで見ごたえありました。
豪商や松阪の文化を学びたい方にはオススメです。

松阪市史上最強の豪商 三井財閥って松阪市がはじまりで三井家の発祥の地があるんです松阪市が誇る豪商である三井家の発祥の地を見学してきたのでご紹介。 ただし、建物は非公開になっているので、門構えを見るだけになります。 ...
松阪商人の館は松阪市の誇る豪商旧小津清左衛門家をリノベーションし見学ができる松阪市の屈指の豪商である旧小津清左衛門家の旧宅を見学してきたのでご紹介。 三井家と長谷川家と並ぶ、屈指の豪商ってことで、何を生業(...