松阪市の人気観光地である御城番屋敷は、松阪城跡とセットで是非とも訪れていただきたいスポット。
立地的には松阪城裏門跡の目の前ということで、城を見学している流れで訪れることが出来ます。
松阪城跡の二ノ丸跡から見える御城番屋敷の組屋敷の長い屋根と真っ直ぐと伸びる石畳は本当に素晴らしいんですよ。
地元民オススメの撮影スポットです。
御城番屋敷とは
以前からふと行くことはあったんですが、武家屋敷っていうこと意外は何も知らずに、景観だけを見ていましたが、また物語と言うか情報を知れば知るほど知識が深まってきます。
松阪城は、1588年(天正16年)の安土桃山時代に戦国武将・蒲生氏郷が築いた、日本100名城の一つにも指定されています。
その城下町には、松阪城の警護を担った40石取りの紀州藩士20人とその家族の住居「御城番屋敷」が、往時のままの姿で残っています。
全国的にも武士の組屋敷が現存しているのは貴重で、石畳を挟んで主屋(しゅおく)2棟が建っています。
約1ヘクタールの敷地の中に主屋2棟、畑地、土蔵、神社等が現存しています。
東棟が10戸、西棟が9戸あり、実際にその子孫が住みながら維持保存しているという非常に興味深いですね。
全然知りませんでしたが、借家としても利用しているみたいでタイミングが合えば住むことも出来ます。
槙垣(まきがき)の緑と石畳のコントラストが抜群に良いんです。
1990年(平成2年)から一般公開され、2008年(平成20年)から3年かけて保存修理工事が行われました。
主屋2棟は国の重要文化財に指定され、土蔵は県指定文化財(建造物)です。
御城番武士とは
徳川家康の先鋒隊として活躍した家臣の子孫で、紀州藩主徳川頼宣の直属の家臣でしたが、突然、安藤家の家臣(藩主の家臣の家来)となることを命じられたことから、講義して幕末の1856年(安政3年)に藩士の身分を捨てて浪人となってしまいました。
浪人生活は6年が過ぎ、紀州藩への復帰を嘆願し続け、1863年(文久3年)に松阪城の御城番として、藩へ復帰をしました。
その後は、明治維新、廃藩置県や徴兵制の断行による武士の存続基盤の消滅に対して、「松阪御城番屋敷」を持続的に運用するための合資会社「苗秀社」を設立して、「わが党各家は永世変わらず、苦楽をともにし、家門の繁栄を図ることを主眼とする」という設立の趣旨のもと会社としてこれらの資産を守り続けています。
御城番屋敷ってどこにあるの(アクセス)
御城番屋敷は、松阪城跡のとなりにあることから、町中を歩いて観光することを考えると無料の松阪市駐車場が便利です。
という訳で、各交通手段でのアクセスは下記の通りです。
車でのアクセス
伊勢自動車道松阪インターを降り、そのまま直進していただくと商業施設パワーセンターが見えてきます。
その信号左折し、真っ直ぐ進むと桑名三重信用金庫川井町支店(川井町4交差点)を右折し、真っ直ぐ進み橋を渡った新松阪交差点を左折して、道なりに進むと右手に松阪市駐車場(松阪市民病院前)があるので駐車し、徒歩10分
公共交通機関でのアクセス
三重交通バス
近鉄・JR松阪駅のJR改札口側バスターミナルから「松阪中央病院行き」に乗り、「市民病院前」下車して徒歩4分。
所要時間 約4分 大人:210円 小児:110円
市街地循環バス「鈴の音バス」
近鉄・JR松阪駅から左回りで「市民病院前」下車して徒歩4分。
所要時間 約4分 小学生以上100円
徒歩でのアクセス
近鉄松阪駅、JR松阪駅より徒歩15分
御城番屋敷について基本的なこと
御城番屋敷の公開住居の開館時間は10時~16時です。
休館日は毎週月曜日(祝日の場合は翌日)となっています。
近隣にある旧長谷川治郎兵衛家や松阪商人の館(旧小津清左衛門家)松阪市立歴史民俗博物館も同様に毎週月曜日は休館日なので、全て見ることができないという悲劇になってしまうことがあるので注意して下さいね。
あと、年末年始となっています。
入館料は・・・・
なんと無料です。
御城番屋敷の石畳は道路なので24時間、夜でも歩くことは出来ますが、住んでいる人がみえるので観光はお静かにしてくださいね。
出来るだけ観光は日中に。
みなさん普段どおり生活をされています。
名称 | 御城番公開住居 |
---|---|
住所 | 三重県松阪市殿町1385 |
電話番号 | 0598-26-5174 |
開館時間 | 10:00~16:00 |
休館日 | 毎週月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始 |
入館料 | 無料 |
サイト | なし |
御城番屋敷を見学(写真で案内)
松阪城裏門跡からのルートでまわっていきます。
観光を前に最初はトイレでも。
裏門跡を出て、左手には御城番屋敷の雰囲気を崩さない公衆トイレがあります。
多目的トイレもあって非常にキレイで使い勝手が良いですね。
あと横に1台分だけ駐車場がありますが、トイレ用のものなのでここへ駐車して観光するというのはやめておいて下さい。
名もなき公園
道路を渡ると、観光ガイドマップとベンチ等がある小さな公園があります。
公園といいますが、特に遊具はなくってちょっと休憩したりするスペースです。
ガイドマップには、徒歩圏内の旧長谷川治郎兵衛家や松阪商人の館(旧小津清左衛門家)、松阪市立歴史民俗博物館などの観光施設などが全部網羅されています。歩く距離もそこそこあるので、順番を決めて効率的にまわるのが良いですね。
昔の井戸もあって、実際に水を出すこともできます。
ただし、飲み水ではないので飲まないようにしてくださいね。
ここで御城番屋敷と苗秀社の基礎知識を入れていきます。
それでは石畳を歩いていきます。
関係者以外立ち入り禁止のコーンが置いてあるところは入らないようにして下さい。
米蔵
御城番屋敷の最初の左側には、以前松阪城の隠居丸に建っていた米蔵が移築されています。
この米蔵は平成15年に県指定有形文化財にも指定されている由緒あるもの。
松阪城跡には、何ひとつ建造物が残っていないことを考えると、場所こそ変わっているがこの米蔵が唯一現存する建造物で貴重なものです。
内部の見学は出来ませんが、白壁がとてもキレイで、柱は黒っぽいのでメリハリのはる建物。
建物の横幅が凄くながくって、瓦屋根もすごく迫力がありますね。
また、注意看板には
殿町武家屋敷界隈へようこそお越し下さいました。
この界隈は、江戸時代の武家屋敷の面影を残しており、住民の静かな日常生活が営まれているところです。
路上駐車や家の中を覗き込んだり、大声での会話などご遠慮いただき、観光の美化にご協力をお願いいたします。
と掲示されています。
気をつけねば。
隣には、鳥居があり和歌山藩祖徳川頼宜を祀る南龍(なんりゅう)神社が、松阪城本丸跡から移築されています。
南龍神社はかつて和歌山市にありその分社として建てられました、
武家屋敷内見学
武家屋敷の西棟北端の一軒は内部を見学することが出来ます。
なかなか武家屋敷の室内見学って貴重で、しかも無料というのはありがたいですね。
昔ながらの趣のある屋敷です。
これが建物のレイアウト。
表の庭にはいい感じの縁側。
玄関を入ると左手に内玄関。
ここでパンフレットをもらって内部を見学します。
右側にスタンプラリーのスタンプがあります。
松阪の観光地をまわってスタンプを貯めると抽選でプレゼントもやってます。
まっすぐ土間があり、裏庭にまで抜けています。
ここは土足になりますね。
ここの見学は靴を脱がずに土間から左手にある部屋を見学するスタイルになります。
今考えるともしかして座敷に上がってもよかったのかな??
当時のたんすなんか今のものより豪華。
苗秀社創立時で明治初期のものだそうです。
当時のミシンや湯たんぽなんかもありました。
めっちゃ貴重なもんなんでしょうね~。
押入れの中には、これまた歴史を感じる。
収納たっぷりですよ。
座敷が4つある不思議なレイアウトですが、当時は洋間があるわけないんで普通かな。
表庭から裏庭まで抜けててめっちゃ気持ちいい。
絶対昼寝したら最高な環境ですね。
土間には台所があり、当時の生活を思わせる釜やせいろがあります。
当時の餅をつくきねとうすですね。
今ではめっきり見なくなりました。
そして、右側にある箱みたいなものって何かな?
裏手の外にまわってみると家の中から木が出てきています。
さっきの箱とつながっているので、シンクやったんかな。
ここから排水する形みたいです。
当時のツボかな?何か漬け込んでいたものかも。
天井を見上げると、結構高めで梁が張り巡らされています。
最近の家ではあまり見ることはなくなりましたが、さすが昔の住宅のものはしっかりしている。
そして、この黒っぽい色が歴史を感じさせてめちゃくちゃ良い雰囲気。
でも、色合いで気づきませんでしたが、じーっと見ると金属で補強してますね。
まぁ、当時の建物では耐震的にも弱いでしょうしこれはしかたない。
屋根裏スペースは物置になっており、まきなどが保管されています。
外国の方にどこの国からきましたか~ってシール貼ってもらってました。
5月1ヶ月と考えると、まだまだそんなにインバウンド(外国人観光客)って多くないんですね。
1位は台湾。そこについづくのがフランス、フィリピン、ブラジルでした。
アジア圏が多いイメージですが、フランスは意外かなぁ。
でも、海外からみえたらこの景観って絶対感動しそう。
裏口から裏庭に出てくると、溝があって小さなざら板で橋?になっています。
住宅はコの字型のレイアウトになっています。
この縁側の雰囲気が最高ですね。
生垣でしっかり囲んであるので、縁側でのんびりってこともできるよなぁ。
窓もこんな感じでよく考えられてるわ。
厠(かわや)。
トイレが裏手のスペースにありました。
入り口に出てくると庭先には「三重県立松阪工業高等学校誕生の地」って石碑。
でも、ここって昔から御城番屋敷があったんじゃないかって・・・・謎が深まる。
すぐ近くに松阪工業は今でもあるけど。
実際に住まわれている人の武家屋敷は自転車や単車があったり、家先にエクステリアが置いてあったりで生活観がありました。
いや~このまっすぐに伸びる石畳はほんとうに素晴らしいなぁ。
少し歩くと大きな鳥居と松阪神社に伸びる参道がありますよ。
久しぶりに見た公衆電話。
ここも景観を崩さないように瓦屋根と木造ですよ。
近くには、松阪工業の校門もあります。
なんていい立地に高校があるんや~。
建物も赤くって他の高校とは雰囲気が違う。
これも武家屋敷周辺の景観ってのが関係してくるんかも。
丸型ポストも絵になるし。
なかなか見ごたえあった。
御城番屋敷は一見の価値ありですよ。
まとめ
家の中に入ると独立した1軒の家なんですが、長屋になっている不思議な武家屋敷。
近隣には豪商と呼ばれる方々のちょっと立派過ぎる家でしたが、ここは武士の家とはいえ一般的な大きさで庶民的な雰囲気でした。
御城番屋敷の景観は唯一無二なので本当に見る価値ありですよ。
松阪城跡とセットで是非とも見学してみてください。
賃貸もやっているみたいでタイミングが合えば借りて住めるみたいです。
こんな歴史的な建物に住むのもちょっといいなぁ。