三重県松阪市と奈良県東吉野村の県境にあるのが高見山。
前々から、高見山の霧氷は有名なので気になってましたが、この時期には雪もあり、専
門的な知識や登山口も知らないこともあって行けませんでした。
そんな時、松阪市主催で「香肌峡」の魅力がいっぱい!高見山”霧氷”トレッキングが
あったので、安全に見に行くことが出来ればと参加させていただきました。
案内は、カヤックなどでもお世話になっている、特定非営利活動法人i sierraってこと
で安心です。
i sierraさんは、松阪市の旧飯高・飯南地区で山・川を使った自然、アウトドア体験を
提供することで、地域の良さを伝え、地域振興につなげています。
高見山とは
高見山は、奈良県吉野郡東吉野村と三重県松阪市(旧飯南郡飯高町)との境界にある山
でで、標高は1,248.4mです。
最近登った山では最も高く、低山限定の僕にとっては少々ハードな登山が予想されます
が、冬に霧氷や樹氷を見ることができる山として有名なんです。
ちなみに、霧氷って、氷点下の霧や雲が樹枝などに着いてできる氷のことで、樹氷はそ
の一種となります。
東西に長い山なんで、南北方向から見るとなだらかな山に見えるんですが、東西方向か
ら見ると尖って見えることから「関西のマッターホルン」とも呼ばれています。
なんか一気に格上げされて、凄い山感ありまくりですよね。
日本遺産にも認定されてます。
歴史をちょっとだけ入れると神武天皇が東征の時に、櫛田川から大和へと入ったとする
説があり、山頂にはここに上って四方を見たといわれる「国見岩」。
道案内を勤めた八咫烏を祀る高角神社があります。八咫烏といえば、サッカー日本代表
のシンボルマークとしても有名な3本足の烏ですね。
○高見山の注意点
高見山は国定公園内です。
法律の規制を受けますから、下記のことに注意して下さい。
1.草木及び自然石を採取すること
2.火の用心(たき火、たばこ火)
3.みだりにごみを捨てない事
4.自然景観を損なう行為
高見山ってどこにあるの(アクセス)
高見山は、公共交通機関で行くことは難しいので車で行くことになります。
今回は、イベントなので集合して、乗りあわせで連れっていただいたので至れり尽くせ
りで快適でした。
登山道の入り口って駐車場もないか、少ないし、ちょっと心配ですから。
車でのアクセスは下記の通りです。
車でのアクセス
伊勢自動車道松阪インターを降り、最初の交差点(松阪インター入口)を右折し、道な
りにずーっと走っていきます。
5分ぐらいそのまま走ると突き当たりに166号線に出る交差点(丹生寺町)があるので右
折します。
ここからはひたすら真っ直ぐ走り、道の駅茶倉を越え、道の駅飯高駅を越えていきます
。
落方トンネルがあるので、手前を右折し、林道を走っていきます。
途中でここの集落があるのかっていう道を進み、舟戸集落の最後の家を越えた左手に「
旧和歌山街道」の看板があって、登山道になっています。
良く吠えるわんちゃんが目印?!
登山道に続く橋があって、数台車が駐車することが出来ます。
私有地もあるので、駐車する時は注意して下さい。車がいっぱいな場合は、路肩などに
駐車するのではなくて、少し戻って集会所などがあるので、地元の人とお話されてトラ
ブルにならないようにしてください。
地元の方に聞くと親切に教えてもらえるかもしれません。
勝手な駐車はお控え下さい。
高見山について基本的なこと
堀坂山は、住宅地を抜けたところにある登山道で、いつでも行くことが出来ます。
周辺には民家があるので、騒いだり、早朝夜間などは配慮するなどマナーを守りましょ
う。
名称 | 高見山 |
---|---|
住所 | 奈良県吉野郡東吉野村平野 |
電話番号 | 0746-42-0441(東吉野村観光協会) |
登山可能時間 | 24時間 |
休山日 | なし |
サイト | なし |
高見山へ行ってきた(写真で案内)
2020年(令和2年)1月11日の高見山”霧氷”トレッキングへ張り切って出発。
集合場所の道の駅飯高駅の横にある飯高茶屋へ余裕をもって到着しました。
再度、集合場所を確認するとまさかな波瀬駅!!?
カーナビ検索すると、166号線を更に奈良県方面にまさかの40分かかる・・・・
焦ってダッシュして到着したのは集合2分前。
焦ったなぁ。
はじめてきましたが、飯高林業総合センターと併設されて
。
喫茶店の波瀬駅があります。
という訳で、受付をし、お弁当、貼るカイロ、ウイダーインゼリーを受け取ってごそご
そと登山準備に入ります。
数台の車に分かれて、登山口へ移動します。
高見山に登るルートはいくつかあって、今回は三重県松阪市側から登る舟戸口ルートです
。
和歌山街道散策コースです。
現在位置の登山道から、高見峠まで1時間程度。
高見峠から高見山山頂まで50分。
時間も含めて分かりやすく掲示してあります。
楽に行くなら奈良県側からなら自動車で高見峠の駐車場まで行くことが出来るのでかな
りのショートカット。
ただ、舟戸ルートには途中にもいろいろな文化的なものが残っているこのルートも良い
ですよ。
舟戸口から高見峠へ
i sierraの太田さんより説明があって駐車場横の舟戸街道橋からスタート。
橋の下には櫛田川が流れているので、上流部になります。
普段は、ダイエット程度なので大勢での登山は久しぶり~基本的にスタミナがないので
一緒に合わせて歩けるのかはちょっと不安ですよ。
迷惑をかけないように、最後尾の方でマイペースに進んでいきます。
舟戸五輪塔
名前だけ聞いたことがあるが、蘇我入鹿(そがのいるか)の首塚があります。
蘇我入鹿は、飛鳥時代の豪族で、大臣として大和朝廷の有力者だったが、大化の改新に
よって討たれました。
645年の大化の改新、、、なんか虫5匹って覚えた記憶があるが。
中大兄皇子(後の天智天皇)と中臣鎌足(後の藤原鎌足)に暗殺された蘇我入鹿を祀っ
たものと伝えられています。
この舟戸五輪塔は、町指定文化財の史跡で、五輪の石の上から順番に、空、風、火、水
、地を表すキヤ・カ・ラ・バ・アの梵字が四方に刻まれています。
この舟戸という地名は、悪神や厄霊を追い払う“船戸の神”を祀ったことから名付けら
れたといわれ、これがやがて旅の安全を守る道祖神として人々の信仰を集めるようにな
ったとされています。
寺院跡能化庵
少し登山道を歩進みます
寺院跡能化庵があります。
能化庵では、蘇我入鹿の妻と娘が首塚を祀るために住んでいたといわれています。
亡き後、妻と娘が尼になって霊を弔ったという跡が残っています
確かに当時の石垣のようなものが残っています。
両部曼荼羅(りょうぶまんだら)
寺院跡能化庵から、登山道を進むと
両部曼荼羅の看板があります。
登山道をはずれて右側に進むと両部曼荼羅があります。
高さ2.2m、幅2.3mの大きな自然石。
中央に南無阿弥陀仏、上部に日輪・月輪が刻まれています。
日本密教の中心となる仏である大日如来の説く真理や悟りの境地を、視覚的に表現した
ものを曼荼羅って言うんですって。よく分からんけど、大きな石に曼荼羅を表現してあるってことです。
登山道①
ここからは、本格的に登山道になってきます。
ここの登山道は勾配を真っ直ぐに一気に上るのではなくって、ジグザグとして道を折り返して登っていくので、歩行距離は長くなりますが、勾配は少ないので歩きやすいですね。
高見峠までの距離と舟戸口までの距離が表示してあるので分かりやすい。
看板も新しいので最近整備したものですね。
って、まだ170mの位置で高見峠まで2,130mとまだまだ。
倒木などもあって、そこを越えて細い登山道を歩きます。
目の前をふさぐ木。
ここは注意しないと本当に落ちたら命を失うレベルの場所です。
かなり慎重に。
尾根のように細くなって左右が崖みたいなところも。
足腰が弱ってきている時はここも注意ですよ。
でも、ちょっと登山している感というか刺激があるのも楽しさのひとつ。
結構、山の中の雰囲気が変わって、背丈以上の青々とした木にかこまれたところや。
間伐しっかりしてあって、木々の枝が登山道におちているところなどなど。
杉林と差し込む太陽光が美しい~。
看板発見。
高見峠まで1,570mとまだまだ先は長い。
途中で林道と登山道が交わります。
アスファルトで整備されているものの荒れていて、細い道なので軽トラックぐらいでしか来るのは難しいとのこと。
看板があり、このあたりは近畿自然歩道なんですって。
高見山まではまだまだ長い。
その前の看板は高見峠まで、木製看板は高見山山頂までの距離を示しています。
2.8kmと先は長いなぁ。
大二木(おおにぎ)茶屋跡
大二木茶屋跡は、昔の街道を歩いている人が休む茶屋ですね。
「伊勢の高見は高いようで低い、低い大二木の餅や高い」と歌われはやされました。
かまど跡が残ってるって書いて歩けどどこかなって見渡すと目の前のこれうかな?
でも、これが書いてあることでなんとなくイメージできるんですよね。
なければ素通りですから。
登山道②
少し広くなって歩きやすい道が続きます。
左右に大きく折れてヘアピンのように登るルート。
という訳で、高見峠まで1,410m。
って、めちゃくちゃ細かい頻度で看板が出てくる親切さ。
こまめに距離が分かるのでまだまだやって現実を見せ付けられる。
平坦で幅広い登山道と杉の木ゾーンで呼吸を整える。
特にこのあたりの登山道はそれほど特徴がありません。
少しだけ太陽とススキがステキだったので撮影。
高見峠まで1,150m。
ここまででやっと半分です。
このあたりから、勾配がちょっときつくなってきて
必死に登る、、でもまだ中盤ですらなかったり。
この周辺って苔がきれいに育っています。
水が豊かなのと、光が当たりにくいのかなぁ。
芝生っぽい青々としてます。
こんな苔がはえててきれいですよ。
高見峠まで820m。
まだまだ登る。
ブナの大木
舟戸口ルートの見所ブナの大木。
立派な木がそびえ立っていて迫力あります。
この木は岩の上にあり、周りの土に根を張って力強くそびえ立っています。
ハンターハンターのモントゥトゥユピーを思い出す人も少なくないはず。
登山道③
まだまだ続く、大きく左右に続く道。
休憩して追いついて、また歩き出すと離れて、また追いつくを繰り返しています。
高見峠まで490m。
切り株の表面が自然に変化して色ついてたのかと思い撮影しましたが。
ニット帽という残念さ。
少し遠目で見たら衝撃的やったんですが。
高見峠まで175m。
もはや撮影する意味さえない看板。
ということで、だいたい1時間ぐらいかかって、舗装道にやってきました。
ここは、旧国道166号線なんだそうで、そこから100m程度歩くと、高見山山頂の登山口である高見峠に到着です。
高見峠から高見山山頂へ
舗装道を歩いてくると目の前には奈良県東吉野村の表示。
歩いて県境を越えてきたので、なんか感慨深いものがあります。
ちなみに反対側から見ると三重県。当たり前ですがね。
現在の場所はここです。
高見山山頂に向けて50分とのことです。
奈良県側からのぼってくることが出来るんですが、駐車場もあります。
人気の登山スポットなんで、駐車場は20台~30代程度は駐車できそうですが、いっぱいになることも多いと思います。
駐車場には石碑があって。
本居宣長氏の詠んだ句は示されてます。
「白雲に峯はかくれて高見山見えぬもみちの色そゆかしき」
あと、トイレがあります。山頂にはありませんので、ここで済ませてくださいね。
今年は暖冬なのもあって雪がまったくありません。
例年なら、このあたりも真っ白でアイゼンとかが必要だそうなんですが今日は大丈夫。
それ以上に暑過ぎるので、汗だくになるレベルです。
登山届けはお忘れなく。
あと、熊出没注意です。
どこでもありますが、恐怖の看板。
今回は人も多いし大丈夫。
早速、鳥居をくぐって出発します。
ここが高見山登山口となります。
脇に杖も準備してもらってあるので借りることが出来ます。
あの、はるか遠くの山頂を目指します。
最初は階段が続き、途中から普通の登山道に変わります。
広葉樹なので、全て葉っぱが落ちていますが、この朽ちた雰囲気もなかなか良いんです。
ちょっと、何の木なのか木にある無数の幹のある木があります。
途中にある、苔スポットは見渡す限り苔。
屋久島の白谷雲水峡のもののけの森を思い出す!
https://www.nakasete.com/yakushima-shiratani/
※別サイトへのリンクです
帰りの光が当たったのがこんな感じ。
更に登山道は続きます。
標高が上がることで段々気温も下がって肌寒く。
左右にジグザグ道が折れて登っていきます。
ススキゾーンに入ると。
中腹になりますが、休憩できるベンチスペースがあります。
助かったと思いきや、人が座っててスペースがなくそのまま進む。
ちょっと白めの下の方の木とはちょっと雰囲気の違う木が一面に。
もくもくと登って、頭上に何か建物が見えます!!
やっと頂上!!!
いや~最後はめちゃめちゃしんどくってどうなることかと。
無事に山頂へ到着。
高見山山頂の絶景
到着した山頂は関西のマッターホルンというだけあって、尖っているのか意外と狭いんです。
まずは、三角点にもタッチ。
八咫烏を祀る高角神社をお参りします。
無事にここまでやってこれました。
今までもそれほど登山経験もありませんが、こんな素晴らしいのは初めてで。
目の前に見える青空と山々
風力発電施設
目の前に広がる霧氷
複雑に入り組んだ山並み
そして、奥に薄く見えるは富士山です!
ちなみに登山口ははるか遠いあそこ。
アップによせるとこんな感じ。
よくここまで来れました。
あ!あと霧氷ですが見ての通りまわりにも雪がありません。
最近の暖冬でほぼほぼ溶けて、わずかに枝についているのが霧氷?かな。
撮影中も暑さでボトボト落ちていっていますが、とりあえず見れたってことで。
雪が積もって残ってるなって思ってましたが。
霧氷が下に落ちてたまってたみたい。
昼食は地元で収穫されるクレソン弁当。
クレソンって初めてなんですが、この緑のやつですね。
1人3本で、カツやウインナーが挟んであって、うまい。
もぉ1個
もぉ1個って
この景色が、更においしく感じさせてくれます。
結構ボリュームあって腹いっぱいですよ。
あと、アツアツの抹茶ラテと至れり尽くせりでした。
山頂には展望台があります。
双眼鏡あるんですが、こちら側の斜面は風も強くってめちゃくちゃ寒くって早めに退散。
展望台の下のスペースには非難小屋があって、吹雪いているとここで待機しかなさそうです。
中は風もさえぎれて温かい。
それにしても、景色が素晴らしすぎる♪
ちょっと感動もんでした。
高見山を下山
そして下山。
もぉちょっとこの景色を見ていたいけど、温かいとはいえ山頂はまだまだ寒い。
来た道を戻りますが、下りはめちゃめちゃ得意♪
太っている最大のネックは、体を上に上げるという作業で、下に下りるのは重力に従うだけですから。
高見峠には八百万の神様(やおよろずのかみ)が祀られています。
自然のもの全てには神が宿っていることが、八百万の神の考え方なんですって。
登山口が見えてきました。
そして、橋を渡って無事下山完了。
まとめ
霧氷はあまり見えませんでしたが、天候は最高すぎて温かく快適で、富士山まで見えて最高でした。
一面真っ白の霧氷は次回に持ち越しということで、良い運動になったし楽しまさせていただきましたよ!
やっぱり漠然と山に登るよりも、要所要所で歴史があってちゃんと掲示してくれてある
と分かりやすいし、その背景の文化を知ることが出来るのは良いですね。
地元の方いわく冬の霧氷登山が人気ですが、実は春のつつじ、梅雨の苔、秋の紅葉と1年
中楽しめるんですって。
松阪市でお手軽登山が出来る山
高見山の句を詠んだ本居宣長